今回は、これから家やマンションなどのマイホームを購入を検討されている方へ、いくらまでなら無理なく返済できる額なのか、いくらくらいまでの物件価格であればあなたはマイホームを手に入れることができるのかということについて紹介していきます。
居住用の家やマンションは、ご存知だと思いますが、物件価格だけでは購入することはできません。各種税金・手数料など様々な諸費用というものがプラスされるからです。
無理のない住宅ローン返済額と購入できる物件の上限額を知るには、「諸費用」とよばれるものを考えて計画を立てることが非常に重要になってきます。
この記事では、不動産会社で働く現役大家が「無理のない住宅ローン返済額」と「あなたが購入できる物件価格の上限」をしっかり把握できる計算方法などについてご紹介していきます。
住宅ローンの無理のない返済額を知るために年間返済額の上限を知る
家計から借入可能額を知るには、「現在の家賃」をもとに計算するのが原則です。
(基本的に実家暮らしの場合は、月収の3割程度が目安となります。)
ただし、家賃=月々の返済額とは限らないのでその点には注意してください。
まずは、これから紹介する図に関する情報をあなた自身で埋めてみましょう!
この例は現在の家賃が12万円、現在の年間貯蓄額を30万円減らすことができる場合。
年間額 | ||
現在の家賃 | 144 万円 | |
やりくりできる額※1 | 30 万円 | |
住宅ローン控除(最大) | 40 万円 | |
① | 小計 | 214 万円 |
管理費・修繕積立金※2 (マンションの場合) |
24 万円 | |
固定資産税・都市計画税 | 10 万円 | |
② | 小計 | 34 万円 |
住宅ローンの 年間返済額上限は |
①ー②= | 180 万円 |
※1:やりくり額とは、これまで毎年貯金してきた額を一部返済に回す額のこと
※2:マンションの場合にかかる費用
住宅ローン控除:2021年12月(※)までに家を購入して入居した人は、各年最大40万円、10年間で最大400万円が所得税から戻ってくることになる
借入可能額の目安を計算してみる
次に借入可能額の目安を紹介していきます。
また、下記のほうでは、それぞれ年収別で借入可能額の目安を紹介していますのでそちらもぜひ参考にされてください。
借入可能額の目安は、利用したい住宅ローンとその金利のタイプ(固定型か変動型など)や、返済期間・金利水準、さらに上の「年間返済額の上限」から下記の借入可能額早見表と計算例を参考に無理なく借りられる金額を計算していきましょう。
返済期間 | |||||
金利(%) | 15年 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
0.500 | 144 | 190 | 235 | 279 | 321 |
0.625 | 143 | 188 | 231 | 273 | 314 |
0.825 | 141 | 184 | 226 | 266 | 304 |
0.950 | 140 | 182 | 222 | 261 | 298 |
1.000 | 139 | 181 | 221 | 259 | 295 |
1.100 | 138 | 179 | 218 | 255 | 290 |
1.200 | 137 | 178 | 216 | 252 | 286 |
1.300 | 136 | 176 | 213 | 248 | 281 |
1.400 | 135 | 174 | 211 | 245 | 277 |
1.500 | 134 | 173 | 208 | 241 | 272 |
1.600 | 133 | 171 | 206 | 238 | 268 |
1.700 | 132 | 169 | 204 | 235 | 264 |
1.800 | 131 | 168 | 201 | 232 | 260 |
1.900 | 130 | 166 | 199 | 229 | 256 |
保証料が必要な住宅ローンで「内枠方式」を利用するのであれば上の金利は、融資金利に保証料(0.2%)を足した数字で見るようにして下さい。
ただし、2つ注意点があります。
1つ目がそれは、保証料が必要な住宅ローンで内枠方式と呼ばれる金利に上乗せして毎回の返済額に含めるタイプのものを利用する予定の場合は、表面上の融資金利に「0.2%」をプラスした数字で早見表の金利欄を見るようにしてください。
また、2つ目が「フラット35」で融資率が9割を超える場合はプラス0.44%を付け足すのを忘れないようにしましょう。
年間返済額上限が180なので18倍としています。
返済期間20年・変動金利型
融資金利が0.625%で保証料を最初に一括で支払う場合
⇒借入可能額188万円×18で
借入が可能な額は3384万円までとなります
返済期間30年・固定金利型
融資金利(フラット35)が1.4%の場合
⇒245万円×18=
借入が可能な額は4410万円までとなります
このように借り入れが可能な額を導き出すことが可能になります。
しかし、よく早見表などをみてもわからないからもっと簡単に上限額を知る方法ないの?という方もいると思います。
そんな方にもわかるように年収別で借入可能額の目安をお伝えしておきます。
実は、住宅ローンの融資を出す金融機関の借入可能額はこの計算で出すことが可能で「年収×6もしくは7」であれば借入が可能な額といわれています。
あなたの現在の年収に6もしくは7をかけてみてください。
年収300万円の人の借入可能額の目安
6をかけた場合=1800万円
7をかけた場合=2100万円
年収400万円の人の借入可能額の目安
6をかけた場合=2400万円
7をかけた場合=2800万円
年収500万円の人の借入可能額の目安
6をかけた場合=3000万円
7をかけた場合=3500万円
年収600万円の人の借入可能額の目安
6をかけた場合=3600万円
7をかけた場合=4200万円
さらにもっと簡単に解説すると年収の30%~35%以下が借入可能額の目安(フラット35での目安)
金融機関や働いている会社によってもこのあたりは変わってくるといわれていますが、住宅支援機構の住宅ローン【フラット35】では下記のような目安になっています。
- 年収400万円以下の方であれば年収の30%以下(年間120万円・月10万円)
- 年収400万円以上の方であれば年収の35%以下(年間140万円・約月11万6千円)