不動産売却

不動産売却での瑕疵担保責任の期間と範囲について

今回は、あまり不動産に詳しくない一般の方へ不動産売却に関する「瑕疵担保責任」の「期間」「範囲」について詳しくわかりやすく解説していきます。

  • これから戸建てを売却するけど瑕疵担保責任ってなに?
  • これからマンションを売却するけど瑕疵担保責任って何?
  • 空き家を売却するときも瑕疵担保責任は関係あるの?

などなど様々なことで気になっている方がいると思います。

 

実は私、最初の頃は「ちかたんぽ?」などとわけのわからない読み方で読んだことがあるほどのバカでした。

(難しい漢字が並んでいていかにもなんか難しい言葉である「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」ですが、この記事にたどり着いているあなたは読み方もバッチリなので素晴らしいですね!

 

漢字に弱い私でも「瑕疵担保責任」について今ではバッチリ解説できるのでみなさんには非常に簡単に理解してもらえると思います。

それでは、さっそく瑕疵担保責任について理解を深めていきましょう!

瑕疵担保責任とは?そもそも「瑕疵」ってなに?

瑕疵とは

瑕疵とは、造成不良や設備の故障など、取引の目的である土地・建物に何らかの欠陥があることをいいます。

不具合ともいい、キズがあることを意味します。何が瑕疵かは、その物件が普通なら備えているはずの品質や性能、また、契約者の要望・要件を満たしているか、ということを基準に判断されることになります。

 

瑕疵担保責任とは

家屋を買ったところが、シロアリがついていたというように、売買の目的物に隠れた瑕疵(通常では見つからない欠陥)があったとき、「売主」が「買主」に対して負う責任のこと。

 

瑕疵担保責任の対象は、買主が注意しても確認できなかった「隠れた瑕疵(キズ・欠陥)」のことになります。

この隠れた瑕疵(欠陥・キズ)が見つかった場合、売主側は買主が購入した物件に対して「修理・補修代」を支払ったり、損害賠償に応じなければいけなくなります。

 

仮に瑕疵(キズ・欠陥)が重大で修理・補修しても住むことができない場合、契約解除になるケースもあります。

瑕疵担保責任の期間はどのくらい?

不動産売却後、売却物件にキズ・欠陥が見つかった場合、原則として売主は瑕疵担保責任を負うことになると解説してきました。

 

では、瑕疵担保責任はどのくらいの期間有効になるものなのでしょうか?

 

民法の原則としては、買主が隠れた瑕疵(キズ・欠陥)を知ってから1年以内に申し出れば、売主は瑕疵担保責任を負わなければならないとしているようです。

 

しかし、正直1年ではもともと本当に存在していた瑕疵(キズ・欠陥)なのかそれとも経年劣化なのか判断が難しい場合も結構あるのです。

 

また、民法の原則通りであれば引渡しから何年経過していても、買主が気づくことができれば賠償などを請求できることになっており、売主側に過大な責任を負わせる可能性があるといわれています。

 

しかし、安心してください。一般的な個人の不動産売買のケースでは売主が瑕疵担保責任を負う期間は「2か月~3ヶ月」で納めるケースがほとんどになります。心配な方は、仲介を行ってくれる不動産会社に瑕疵担保責任の期間について相談してみましょう。

 

ただし、売主が不動産業者であれば「宅建業法」によって瑕疵担保責任を負う期間は2年以上必要となっています。

 

瑕疵担保責任を負わない特約を付けることはできる?

しかし、1カ月たりとも瑕疵担保責任を負いたくないという人のほうが多いと思います。

瑕疵担保責任を2か月~3ヶ月でも実際自分事となると、何が発生しているかわからないので負いたくないと考えるのが普通だと思います。

 

そのような場合は、売主側・買主側の合意があれば売主側の瑕疵担保責任を負わなくてよいとする契約を交わすこともあります。(いろいろと金額を値引きしてくれたり等あるとこのように契約を交わすことがあります。)

 

しかし、仮に万が一瑕疵を発見したという報告を受けると良心が痛む方もいると思います。その時の負担は買主側になるので。

しかし、安心してください。現在は「既存住宅売買瑕疵保険」というものもあります。

気になる方はチェックしてみてください。

 

瑕疵担保責任の範囲は?マンション編

基本的に瑕疵担保責任の範囲は、売主側がどこまで責任を負うかということを「売買契約書」で明記しておくことをおすすめします。

分譲マンションでの売買を行う場合、売主・買主が存在するわけですが、マンションの場合は、戸建てと違い、構造上の特殊性や所有者が(区分所有者)が多数いるので、その建物(部屋以外は共用部分)の瑕疵については、基本的に管理組合がその対応の窓口となることが多くあります。

理由は、マンションの場合の瑕疵(キズ、欠陥)は、その原因のほとんどが共用部分(建物の外壁や躯体部分、共用配管など)にあることが多いために、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が、建物についての瑕疵は、その原因が専有部分にない限り、共用部分にあるものと推定されているからです。

躯体とは、建築物の構造体のことです。 構造躯体という場合は、建築構造を支える骨組みにあたる部分のことで、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい等)、床版、屋根版又は横架材(梁など)などをいいます。 いわゆるスケルトン・インフィルのスケルトンの部分で、内外装の仕上げと設備機器以外のものを指しています。

ですので、分譲マンションの隠れた瑕疵に対する売主としての対応は、自身が所有するマンションの部屋(専有面積)だけの対応だけです。

その他の隠れた瑕疵については、施工会社・管理組合とともに対応することになりますが、ほとんどの場合あなたの責任ではないのでそこまでの心配はないかと思います。

  • 基本的にマンションの場合は「部屋内のモノ・設備だけが範囲」となる
  • 通常の瑕疵担保責任で対象とされる範囲はコレ!「雨漏り・シロアリ・建物の重要な構造部分の欠陥や腐食・境界の不備・土地に埋まっていた埋蔵物等」なので、マンションではほぼ当てはまらないこともある

ちなみに、耐久消費財(ドア・床・壁・窓・建具など)については、本来は瑕疵担保責任の対象外になります。

また、いままで解説してきたように、売主・買主共に確認済となるので問題なく取引が「成立」し完了したこととみなされます。

 

 

瑕疵担保責任の範囲は?中古戸建て住宅編

では、次に中古一戸建て住宅編を解説していきましょう。

マンション編でも解説しましたが、「瑕疵担保責任」で対象とされる「範囲」は、

  • 雨漏り
  • シロアリ
  • 建物の重要な構造部分の欠陥や腐食
  • 境界の不備
  • 土地に埋まっていた埋蔵物等

になります。

 

仮にあなたがこれからもしくは売却した一戸建て住宅がこのような症状があった場合は、瑕疵担保責任の対象内となるわけです。

 

瑕疵担保責任」は、【隠れたキズ・欠陥】ですから引渡しの日から一定の期間内は、売主は担保責任から逃れることはできないというふうになっています。

 

但し、何度も言うように売買契約で瑕疵担保責任を負わないという契約を双方の合意のもと結ぶことができるのであれば責任を負わなくてもよくなります。

 

もしくは、1カ月・2か月・3ヶ月など期間をできるだけ短くして契約を結んでもよいでしょう。

 

「不動産売却での瑕疵担保責任の期間と範囲について」まとめ

瑕疵とは隠れた「キズ・欠陥」のこと。

瑕疵担保責任とは、「家屋を買ったところ、建物にシロアリがついていたというように、売買の目的物に隠れた瑕疵(通常では見つからない欠陥)があったとき、「売主」が「買主」に対して負う責任のこと。」

 

一般的な瑕疵担保責任の範囲

  • 雨漏り
  • シロアリ
  • 建物の重要な構造部分の欠陥や腐食
  • 境界の不備
  • 土地に埋まっていた埋蔵物等

 

また、中古分譲マンションでは、部屋(区分所有者の専有面積)部分での瑕疵担保責任については基本的に追わなくても住むことのほうが多くなっているようです。

理由としては、本来、耐久消費財(ドア・床・壁・窓・建具など)については、本来は瑕疵担保責任の対象外になるためです。

 

分譲マンションを売却をこれから行う方は、不動産会社の担当者と相談しながらこの点については決めていけばよいと思います。

もしくは、価格を下げて売却した場合は瑕疵担保責任を売主は負わないという言葉を契約書の中に入れて買主から合意をもらえば責任はなくなります。

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