アパート・マンション経営などの賃貸経営を安定させるためには、適切な家賃設定が非常に重要なカギになります。
アパート・マンション経営をスタートするときでだけでなく、賃貸経営をずっと行っていくためにも敵的に家賃相場をチェックしていくことはとても大切ですし、管理会社任せには絶対にしてはいけません。
管理会社任せにしておけば、本来とれるはずだった家賃よりも少なくなる可能性が高く、長い目で見た時にオーナー(大家)自身が必ず損することになります。
- 家賃設定の際の相場を調べる流れ
- 家賃設定での基本的な考え方
- 簡単に家賃相場を把握する方法
- 成約家賃を調べる方法
この記事では、アパート・マンション経営をこれから始める方にとっての家賃設定する際の相場の調べ方について詳しく解説していきます。
アパート・マンション経営をこれから行っていくという事は長期的(5年もしくは10年以上)は間違いなく大家として賃貸経営を行っていくので定期的な家賃見直しの際にも必ず役立つはずですので、是非最後までご覧ください。
アパート経営の家賃設定の際の家賃相場の調べるときの基本的な流れ
まずは、アパート・マンション経営では、どんな流れで家賃設定していくべきかのかご紹介します。
やることは基本手にこれだけです。
- 賃貸物件検索サイトで同エリアの似た物件の家賃をチェック
- レインズで成約家賃をチェック
この2つをチェックすることでだいたいの家賃設定をおこなうことができます。
ただし、入居者に喜んでもらうためにも様々な満足度の高い設備を設置する大家さんもいらっしゃるとおもいます。
そのような場合は、やはりその分家賃を上げなければいけないので、収支と相談しながら最初の家賃設定をしていく必要があるのです。
アパート・マンション経営での家賃設定の時の相場の調べ方
アパート・マンション経営がこれまで未経験の新米大家となる方は、そもそも適切な家賃とはどのように決めるのが良いのかわからないという方もいるでしょう。
アパート・マンション経営と言っても、新築物件の場合・中古物件の場合など様々なことが考えられます。
もちろん、健全な賃貸経営を行っていけるような家賃設定でなければいけないわけで、なにも考えず家賃相場を調べて家賃設定するだけでは正直意味がないのが現状です。
基本的に家賃設定を決める重要なことは2つあります。
- 建物条件
- 立地条件
です。
下記で紹介しているように細分化することができます。ので確認してください。
建物条件とは
取引時期
一般的な例でいうと1月~3月まで間は、進学や転勤などの人が多くなる時期です。
この時は入居希望者も多くなるので家賃を通常よりも高くなります。逆に入退去が少ない他の月では家賃は下がるもしくは下がりやすい傾向があります。
広さ
賃貸の部屋は、一般的に広ければ広いほど家賃は高くなります。同じ広さでも間取りや階数によっても変わります。
また、ファミリー向け、単身者向けなどターゲットごとに適した広さであることも重要です。
建物構造
木造アパートよりも、鉄筋コンクリート造のマンションというように、構造が頑丈などほど家賃は高くなる傾向にあります。
また、最近の入居者の多くは耐震性を重要視する人が多く、その対策は賃貸経営でも重要な点だといえます。
設備
アパート・マンション経営でも特に入居者の多くの方が入居する決め手となる設備もいろいろと存在します。
・バス・トイレ別
・脱衣所アリ(洗面台付)
・エアコン完備
・ウォシュレット便座
設備などが充実している程家賃は高くなるでしょう。また、最近はインターネット無料などの賃貸をメインで探す方も多く、インターネット無料であればさらに家賃も高くなる傾向があります。
築年数
物件の築年数が経過していくと、新築の物件・部屋よりも設備や仕様などの点で見劣りすることも出てきます。
そのため、新築当時よりも家賃を下がっていきます。
築年数が経過していけば、見た目を良くし、リフォームをして綺麗な部屋にするため、リフォーム等をやっていない部屋よりも家賃低下を抑えることが可能になります。
立地条件とは
利便性
良く利用する銀行がある。すぐ近くに大きな安いスーパーマーケットがある。コンビニがすぐそこにある。など周囲の利便性が高ければ高いほど家賃は高くなります。
また、最寄り駅に急行・快速などが止まるなど交通の利便性が高いエリアも基本的には家賃は高くなるでしょう。
最寄駅からの距離
最寄り駅から近かければ近いほど家賃は高くなります。
逆に最寄り駅から家賃は下がる傾向にあります。
都心までの距離
一般的に都心(都道府県の中心部)に近いエリアほど家賃は高く、遠くなるにつれ家賃は下がります。ただし都心から同じ距離でもエリアによって家賃が高くなることもあります。
いわゆる人気エリアと言われるものですね。このような人気のエリアの場合家賃が高くなります。
アパマン経営での家賃設定の考え方
ここまで建物条件と立地条件について解説してきましたが、このすべてに当てはまらないから家賃は下げるしかないというのは早とちりといえます。
例えば、最寄りの駅から離れていたとしても、犬の散歩がしやすい公園や運動するのに適した公園があるという立地条件だったとしても「ペット好き」や「運動好き」をターゲットとした賃貸経営に向いている物件と言えるでしょう。
また、さらにそのようなターゲット層に見合った物件にすることで建物条件も良くなることが考えられます。
つまり、入居者にとっての立地や建物条件はどうなのか?競合物件が多いのか少ないのかなど、いろいろな面から見て立地および建物条件を判断することが大切になります。
そのため、ターゲット設定を含めたプランニングが重要になってくるわけです。
まずはこの点を頭に入れて家賃相場を調べると良い家賃設定をすることが可能になると思います。
- 近くに駅がなくてもその分立地条件が良ければそこまで家賃を下げる必要はない!
- ターゲットに合わせた設備などがあれば家賃が多少高くても入居してくれる可能性は高い
では、ここから具体的な家賃相場の調べ方について詳しく解説していきましょう。
アパート・マンション経営の具体的な家賃設定での家賃相場の調べ方
ここから具体的な家賃相場の調べ方について紹介していきましょう。
家賃相場の調べ方その1「不動産流通推進センター」の不動産業統計集をチェックする
不動産流通推進センター(不動産業の強化指導や助成などを目的とする公益財団法人)の「不動産業統計」で、具体的な家賃相場を把握することが可能になります。
この「不動産業統計の不動産賃貸」という資料をチェックすると東京・大阪・名古屋・福岡の4大都市圏のマンションの間取り別の家賃相場をざっくりと把握することができます。
不動産業統計集の「不動産賃貸」の資料データでは、
- 借家戸数の推移
- 東京圏の賃貸マンションの家賃相場の推移
などをチェックすることができます。
家賃相場の調べ方その2「賃貸物件検索サイト」を活用する方法
入居希望者がまず最初にチェックするものとして、「賃貸物件検索サイト」だと思います。
一般的に利用者が多いサイトとして、
が挙げられます。
例えばSUUMO賃貸であれば「家賃相場から探す」というページがあり、最寄り駅や市区郡別に家賃相場を見ることができます。
また、間取り別でチェックすることができるので所有する物件の間取りに近い物件の家賃相場をチェックしやくなっています。
建物種類・駅徒歩・専有面積・こだわり条件など細かく設定することができるので、チェックを入れ家賃をいくらで入居者募集をかけているか調べてみましょう!
さらに、所有する物件と似ている物件がどれくらいの期間で掲載終了するかまで見ることが大切です。(掲載終了=入居者が決まった証)
掲載終了まで時間がかかれば成約まで時間が必要だったことが予想できますし、家賃設定に問題があったことも考えられるのです。
ちなみに、ネット検索でも「○○(エリア名) 家賃平均」と入力するとホームズのサイトの平均家賃ページが表示されるはずです。ざっくりと調べるときには役立つはずです。
次に募集時の家賃ではなく実際に契約された家賃を調べる
賃貸物件検索サイトでは、あくまで「募集時の家賃」ですので、実際は契約された時の成約家賃とは異なる可能性があります。(家賃交渉が入って下げる大家さんもいる)
「成約家賃」のほうが、だいたい募集家賃相場よりも「5%~10%低い」こともあるのです。
ただ、上でも言ったように賃貸物件検索サイトでは、そこまで詳しく成約家賃を把握することはできません。
では、成約家賃を知るすべはあるのでしょうか?
成約家賃はレインズで調べることができる
成約家賃に関しては、東日本・西日本不動産流通機構が扱うレインズ(不動産流通標準システム)で調べることができます。
この東日本・西日本不動産流通機構は、団体は国に唯一認められた不動産流通に関する物件情報を扱う公益財団法人になります。
データの入手はレインズの会員に限定されてしまいますが、土地活用・アパート経営のパートナーとして選んだ不動産業者はたいてい加入しているはずですので、聞いてみてください。
実際の状態は、レインズでこのような感じで成約家賃をチェックすることができます。
実際の成約家賃と併せて知っておきたい欠かせないデータ資料
また、家賃設定をおこなう際に成約家賃をチェックするのと同時にできればこんなことも調べておきたいところです。
それは
- 人口推移
- 賃料トレンド
例えば、若者が減っている地域に、若者向けの賃貸アパート・マンションを建てても入居者が見つけづらくなるのは明白です。
そのため
- 性別・年齢別の人口推移データ
が参考になるのです。
このようなデータは、市区町村によっては役所で手に入れることができるデータなので是非チェックしておきたいところですね。(ネットでも検索することは可能です)
また、過去5年ほどの家賃平均がどう推移しているかを見れば、将来の家賃変動率の参考になります。
こうした賃料トレンドのデータは相談している不動産会社(住宅メーカー)等が用意してくれることもあるので、まずは一度聞いてみてください。
その他の方法としては、「総務省統計局」が毎年発表している消費者物価指数のデータにも
- 家賃の対前年比変動率
が都道府県別に掲載されています。
ただし、データを見ただけでは非常にわかりづらいと感じる方が多いと思います。できればアパマン経営について相談している会社の担当者に直接伺ったほうがわかりやすいかと思います。
【大家が教える!】アパート経営の家賃設定する際の家賃相場の調べ方まとめ
いかがだったでしょうか?
家賃設定の際の家賃相場の調べ方ご理解いただけたでしょうか?
実際一番最初に解説している通り手順としてはこの2つだけでOKです!
- 賃貸物件検索サイトで同エリアの似た物件の家賃をチェック
- レインズで成約家賃をチェック
家賃設定をする際に絶対に鵜呑みにしないでほしいのは、相談している業者の意見だけを聞いて家賃設定することです。
もちろん、業者も経験上から家賃設定のアドバイスをしてくれると思いますが、絶対に正しいわけではないからです。
家賃設定する際業者からどうしましょうか?という事を聞かれると思いますが、業者が提示してくれるデータなどを元に話合い、自分自身でも調べて意見を出し合って決めると良い家賃設定をできるはずです。